自宅でゆったり過ごしたい時に、バスソルトを取り入れてリラックスしているという人もいることでしょう。実は、バスソルトとひと口に言っても、製品の分類は様々に異なるのをご存じでしょうか。ここでは、バスソルトと薬事法の関連性について詳しくご説明してゆきますので、バスソルトを選ぶ際に参考にしてもらえればと思います。
薬事法とはどんなもの？
雑誌やテレビなどでも見聞きする機会がある薬事法という言葉。その定義とはどのようなものなのか、まずはその点から解説してゆきましょう。薬事法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。
名称が長いため、省略して薬機法と呼ばれることが多いです。2014年に法改正される以前は、薬事法と呼ばれる法律があったため、現在も薬事法と呼ぶ人もいます。薬機法は、まず医薬品や医療機器に関するルールを細かく定めたものであると認識しておいてください。
また、医薬品のみならず、私たちの健康や美容に関わる医薬部外品や化粧品についても、薬機法のルールに従って表示や宣伝をすることが求められています。
バスソルトは雑貨？化粧品？
バスソルトは、雑貨なのか化粧品なのか、はたまた医薬部外品なのか、特に意識せずに使用しているという人がほとんどかもしれません。
バスソルトが何に分類されるのかについては、商品によって異なります。何らかの効能・効果を記しているバスソルトの場合は、薬事法における医薬部外品や化粧品の扱いになります。
一方で、特定の効能・効果が記されていないバスソルトは、雑貨の扱いです。
薬機法において医薬部外品に分類されるバスソルトとは？
薬機法上、医薬部外品に分類されるのはどのようなものなのでしょうか。その定義についてご説明します。医薬部外品は、厚生労働省が定めた効能・効果に対して有効な成分を配合したものであり、薬機法上における医薬品や化粧品には分類されないものです。
薬機法で医薬部外品の効能・効果として定められているもののうち、肌に関連したものをみてみましょう。肌や皮膚に関する項目としては、「しもやけ・あかぎれ用薬」と、「ひび、あかぎれ、あせも、ただれ、うおのめ、たこ、手足のあれ、かさつき等を改善することが目的とされている物」が挙げられます。
つまり、このような効能・効果に有効な成分を配合したバスソルトの場合は、薬事法における医薬部外品に分類されます。
薬機法において化粧品に分類されるバスソルトとは？
では、化粧品に分類されるのはどのようなものなのでしょうか。薬機法における化粧品とは「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つ」ために使用される物とされています。
また、「身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物」とも定義づけられています。化粧品の表記として認められた効能・効果は、医薬部外品よりもさらに幅広いです。バスソルトをはじめとする入浴剤に関連する項目についても、実に14項目もの効果・効果が挙げられます。
「肌を整える」、「肌のキメを整える」といった肌質を改善したい人にアピールする効能・効果や、「皮膚を保護する」や「皮膚の乾燥を防ぐ」といった皮膚の健康を維持する効能・効果を示すものもあります。化粧品に分類されるバスソルトであれば、こういった効能・効果に関する文言がパッケージに記されています。
雑貨に分類されるバスソルトとは？
バスソルトのパッケージに、特定の効能・効果に関する記載がない場合は、雑貨として販売されます。「バスタイムを楽しく」といった言葉であれば、効能・効果に直結する表現ではないため、記載しても化粧品や医薬部外品の扱いにはなりません。
雑貨屋やインテリアショップで取り扱っているバスソルトが雑貨で、ドラッグストアで扱っているバスソルトが医薬部外品や化粧品というわけではなく、あくまでも製品ひとつひとつの配合成分や効能・効果の表記に基づいて、取り扱いが決められています。
雑貨屋で何気なく買っているバスソルトでも、パッケージを見てみると、温浴効果や皮膚の乾燥を防ぐ効果に言及していて、化粧品や医薬部外品にあたるものが多いものです。
自分のためのバスソルト選びの賢いポイント
バスソルトにはいくつかの分類がありますが、どのようなバスソルトを選ぶのがよいのでしょうか。医薬部外品に分類されるバスソルトの場合、皮膚の乾燥を防ぐといった効能・効果が期待しやすいため、肌の悩みを緩和するためにバスソルトを使いたい人には適していると言えるでしょう。
化粧品に分類されるバスソルトは、より細かに肌への効能・効果が記されたものが多いため、美容目的で使いたい人には向いているかもしれません。雑貨に分類されるバスソルトは、医薬部外品や化粧品のようにはっきりとした効能・効果が記されていない分、単純にバスタイムを楽しみたい、バスソルトでラグジュアリーな気分を味わいたい、と考えている人にとっては、気軽に使いやすいものです。
その日の気分に合わせて、香りや色で使用するバスソルトを選ぶといった楽しみ方ができるため、リラクゼーションのためにバスソルトを使おうと思っている人には向いていると言えます。
ギフトのバスソルト選びのポイント
ゆったり寛いで欲しいという気持ちを込めて、親しい人へのギフトとしてバスソルトを選ぶ人もいることでしょう。相手が乾燥など何らかの肌の悩みを抱いていることを知っている場合は、特定の効能・効果を記した医薬部外品や化粧品に分類されるバスソルトをチョイスすると喜ばれやすいですよ。
発汗性の高い天然塩のバスソルトは、健康志向が強い人からも支持されています。肌の悩みなどについてよく知らない相手の場合は、雑貨として販売されているバスソルトのなかから、パッケージや色味、香りが好みに合いそうなものを選んではいかがでしょうか。
雑貨として販売されているバスソルトには、ジュエリーのような煌びやかさを持つものもありますので、ラグジュアリー感のあるギフトを探している時にもぴったりです。
バスソルトと薬事法の関連性を知っておこう
入浴剤の一種であるバスソルトには、薬事法における医薬部外品や化粧品に分類される物もあれば、雑貨として取り扱われている物もあります。医薬部外品や化粧品の場合は、特定の効能・効果が記されていて、雑貨の場合は特に記されていないという点が、大きな違いです。
単にバスタイムを充実させるために使うのか、健康や美容目的で使うのか、といった使用目的に応じて、賢くバスソルト選びをするようにしてください。